私がゴミ屋敷に住んでいた頃、部屋は文字通り天井までゴミで埋め尽くされていました。足の踏み場もなく、移動するのも困難な状況。床に積まれたゴミは、年月を経て圧縮され、まるで地層のように固まっていました。悪臭、害虫、そして何よりも精神的な圧迫感。それは地獄のような日々でした。きっかけは些細なことでした。仕事が忙しく、疲れて帰ると、部屋を片付ける気力が湧かなかったのです。コンビニ弁当の空き容器や、読み終わった雑誌などが、少しずつ部屋の隅に積み重なっていきました。最初は「週末に片付けよう」と思っていたのですが、週末になるとさらに疲れて、結局何もせずに終わってしまう。そんなことを繰り返しているうちに、ゴミの量はどんどん増えていきました。ゴミが増えるにつれて、心も荒んでいきました。部屋に人を招くことができなくなり、友人との交流も減っていきました。近所の人にゴミ屋敷だと知られるのが怖くて、夜中にこっそりとゴミを出すようになりました。誰にも相談できず、孤独感に苛まれる毎日。私は、完全に社会から孤立してしまいました。そんな生活が何年も続きました。ある日、私は体調を崩して倒れてしまいました。病院に運ばれ、検査を受けた結果、栄養失調と診断されました。医者からは「このままでは命に関わる」と言われ、ようやく自分の状況の深刻さに気づきました。退院後、私はゴミ屋敷を片付けることを決意しました。しかし、あまりにもゴミの量が多すぎて、自分一人ではどうすることもできません。そこで、私は思い切ってゴミ屋敷清掃業者に依頼することにしました。業者の方々は、私の想像以上に親身になって対応してくれました。ゴミの分別から撤去、清掃、消毒まで、全て丁寧に行ってくれ、まるで魔法のように部屋を綺麗にしてくれました。清掃後、私は心理カウンセリングを受けました。カウンセラーの方との対話を通して、ゴミを溜め込んでしまう原因が、過去のトラウマにあることに気づきました。カウンセリングを受けながら、少しずつ、過去のトラウマと向き合い、ゴミを溜め込まない生活を送るようになりました。ゴミ屋敷から脱出した今、私は新しい生活を送っています。部屋は常に清潔に保たれ、友人との交流も再開しました。趣味の時間を楽しむ余裕も生まれました。
天井まで積み上がるゴミ屋敷からの脱出、経験者が語る再生の物語