木くずを放置した末路!ある家のキクイムシ被害
都心から少し離れた閑静な住宅街に住む佐藤さん一家は、アンティークショップで見つけたお気に入りの木製キャビネットを愛用していました。いつからか、そのキャビネットの下に、ごく少量の細かな木くずが落ちていることに気づいていましたが、「古い家具だから、少し粉が出るのも仕方ないわね」と、さほど気に留めていませんでした。しかし、その小さな木くずが、後に大きな悪夢へと繋がる予兆だったのです。数ヶ月が過ぎた頃、木くずの量は明らかに増え、キャビネットの脚には、針で刺したような小さな穴がいくつも開いているのが見つかりました。さらに、そのキャビネットが置かれていたフローリングにも、同様の穴と木くずが点々と発生していることに気づき、一家はようやく事の重大さを認識しました。慌てて専門業者に調査を依頼したところ、衝撃の事実が告げられます。キクイムシの成虫がキャビネットから脱出し、近くのフローリングに産卵。被害は床下にまで及び、家の土台に近い部分の木材にまで被害が拡大している可能性があるというのです。最初の被害は、あのアンティーク家具から始まったものでした。輸入された際に、内部にキクイムシの幼虫が潜んでいた可能性が高いとのこと。結局、佐藤さん一家は、床板の一部を剥がしての薬剤処理と、被害が大きかった木材の交換という、大掛かりな駆除と修繕を行うことになり、その費用は決して安価なものではありませんでした。あの時、最初の小さな木くずに気づいた時点で専門家に相談していれば…。佐藤さんは、初期対応の重要性を痛感しながら、静かになったリビングで深くため息をつくしかありませんでした。