キクイムシの被害を示す木くずと脱出口の穴を見つけてしまった時、多くの人はパニックに陥り、どうして良いか分からなくなってしまいます。しかし、専門業者に連絡する前に、被害の拡大を少しでも食い止めるために自分でできる応急処置があります。その正しい手順を知っておきましょう。まず、やるべきことは、見つけた穴への殺虫剤の注入です。この時、必ず「キクイムシ用」と明記され、細いノズルが付属しているスプレータイプの殺虫剤を選んでください。そして、薬剤が周囲に飛び散ったり、自分にかかったりしないよう、穴の周りをティッシュや布で覆いながら、ノズルの先端を穴にしっかりと差し込み、薬剤を数秒間注入します。これにより、穴の近くにいる可能性のある幼虫や、まさに脱出しようとしている成虫を駆除できる可能性があります。次に行うべきは、被害範囲の確認です。木くずが出ていた箇所の周辺、同じ部屋の他の木製家具やフローリング、壁板などを、懐中電灯を使いながらくまなくチェックし、他にも同様の穴がないかを探します。もし見つけたら、後で専門家に見せるためにも、付箋やマスキングテープなどでマーキングしておくと良いでしょう。ただし、これらの応急処置は、あくまで一時的な対策に過ぎないことを理解しておく必要があります。木材の内部深く、広範囲に潜んでいる全ての幼虫をDIYで完全に駆除することは、極めて困難です。応急処置を施した後は、必ず複数の専門業者に連絡を取り、被害の状況を正確に伝えて、現場調査と見積もりを依頼してください。自己判断で解決したと思い込まず、根本的な解決のためにプロの力を借りることが、最も重要な手順なのです。